ECを始めるときに毎度出てくるのが、モールに出店すべきか、自社のECサイトを立ち上げるか、どちらがいいのか、という疑問。かつては、自社ECは立ち上げ・運用のコストの負担が大きいと思われていましたが、最近ではBASE、Stores、Shopifyといった小規模から安価にECサイトを構築できるサービスも出てきましたし、システム関連コストだけで判断することは少なくなってきたように思います。むしろ、集客・リピートの施策が課題になります。

テナント?路面?リアル店舗を例に自社サイトのメリット/デメリットを考える

リアル店舗の出店でも、商業施設のテナントを目指すのか、路面店で独立したビジネスを目指すのかを決めなければなりません。まず、お客さんの数を考えると、テナント店の方が魅力的に見えます。商業施設は、さまざまな広告・販促活動を通じて大量のお客さんを施設に呼び込んでくれます。たくさんのお客さんがいれば、自然と自分の店舗の方にもお客さんが来てくれます。

一方路面店の場合は、そもそも場所選びが大変です。人通りはどうか?駐車場は広いか?場所選びを間違うとその後の集客に響きます。かといって好立地な物件はそう簡単に出てきませんから、多くの場合は開店時にチラシを撒いたりして自ら集客を行います。

ただ、賃料を見てみると、テナント店が必ずしも良いわけではありません。テナントの賃料は、多くの場合売上に一定の利率を掛けた金額として算出されるため、売上が大きくなれば賃料も上昇します。一方路面店は賃料は固定なので、売上が上がれば利益は増えます。

テナントの賃料は売上連動ですが、その代わりに商業施設が集客活動を継続的・永続的に行ってくれます。商業施設には定期的にお客さんが来訪しますので、テナント店にも自然にリピートのお客さんが来ます。一方路面店ではお客さんがわざわざ店舗を訪問するため、油断をするとお客さんがリピートしてくれなくなります。ただし、いわゆる常連さんはテナント店よりも路面店の方が多いように思います。問題は、どうやってリピートを促すかです。自社ECも同じ状況が発生します。

商業施設には季節感がある

商業施設の客は、多くがリピーターです。オープンの時は別として、商業施設では日々の買い物や、季節の衣類の購入などのため、お客さんは年間を通じて複数回訪問します。商業施設には、商圏というテリトリーがあることもリピーターを呼び込む要因になっていますが、独占企業ではないため販促活動をさぼっていると競合店舗にお客さんを取られてしまいます。

そこで、商業施設は毎週のように施設内で催し物が展開されています。正月やお盆、GWや父の日、母の日など、季節に合わせたイベントが施設内で展開されています。連動してテナントも商品の入れ替えやセールを展開します。このような季節のイベントは、消費に直結します。自家消費もさることながら、ギフト需要も掻き立てます。商業施設はこのような季節感を味方にすることで、商業施設内の多くの商品の需要を底上げします。お客さんは、逆に商業施設で季節のニーズをまとめて満たすことができ、リピート来訪することになります。

季節感のある店づくりに欠かせない年間販促カレンダー

商業施設や、ある程度大きなお店になると、年間販促カレンダーというものを持っています。年間を通じて季節のイベントを展開するためには、タイミングの調整やイベントの準備のためにスケジュールを予め持っておくことが必要です。これを年間販促カレンダーと言います。リアル店舗の買い物は、週末に活発化しますので、カレンダーも月単位では粗すぎで、週単位で計画を立てるのが通例です。そのため、52週カレンダーと呼ばれることもあります。

では、いざ年間カレンダーを自分で作ろうとすると、アイデアの枯渇に悩むことになります。手帳を見ていても、祝祭日くらいは載っていますが、入学式や七五三など自分に関係ないことは抜けています。そんな時は、ネットで無料のサンプルを見つけるとよいでしょう。折込チラシを扱っている広告代理店は、流通企業の広告主を多く抱えているため、サービスとして販促カレンダーを提供しています。例えば、こちら

自社ECのリピート促進にも欠かせない販促カレンダー

自社ECのリピート施策にはいくつかりますが、その一つである電子メールに着目すると、二つのタイプがあることが分かります。

  • ステップメール/MA

個人のお客さんの購入時、〇日後などに合わせて配信する販促メール。お客さんごとに配信タイミングが異なる。またお客さんのステータスによって内容が切り替えられる。誕生日など、お客さんの特別なイベントに合わせても配信が可能。

  • 定期(もしくは、臨時)メルマガ

基本的には同じコンテンツをお客さん全員に一斉配信する。同じコンテンツであることから、季節の話題・季節のセールなどを告知することが多い。

単品リピート通販の場合は、前者のステップメール/MAを用いて定期コースへ引き上げることがとても大切になります。しかし、食品・雑貨・アパレルなどの場合は、一つの商品だけを推し続けることは難しく、ECサイト内のおすすめ商品を広く見せていく必要があります。しかし、商品紹介だけではコンテンツとしては飽きられてしまいます。そこで味方につけたいのが「季節」です。

取り扱っている商品のいつもと違う「商品の良さ」をアピールするには季節は絶好の話題です。また季節の話題を中心に据えることで、複数の商品を紹介するきっかけにもなります。「キャンプの買い物まとめて」といったまとめ買い訴求もやりやすくなります。ただ、やはりここでも年間の計画を立てるのに誰かにアイデアを借りたいところです。そこで登場するのが、サンプル年間カレンダーです。

最後に、最近増えている食品通販・ECを運営している方に、一つサイトを紹介したいと思います。それが、こちら。外食向けお役立ち情報として、季節のレシピを紹介しています。

(了)

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