自分の会社を立ち上げて、果たしてオンラインでの会議をどのようにすべきかを少し悩み、それなら、オンライン会議システムの担うべき機能について少し考えてみようか?と思いつきました。

オンライン会議は、そもそも自分一人では成立しません。相手が居て初めて会議は成立します。ひところ、ネットワーク効果というキーワードが話題になりましたが[1]、オンライン会議システムまさに自分と相手が同じ“ネットワーク”に属していないと意味がない、ネットワーク財の特徴を有します。(さらに広くは外部経済性という議論になるのですが、それはまた別の機会に。)

ネットワーク財では、その提供者はデファクトスタンダードを目指し、市場を席巻するために、競合が市場から退出するまで激しいユーザー獲得合戦を行います。と、ここまでは経済学風の会話をしましたが、実はそんな話ではなく、私が今頭をひねっているのは、TeamsとかZOOMとかってどうすんだろう?という話です。

オンライン会議システムの実際のサービスは、ユーザーを増やすために、“参加者は無料”で“会議のホストが有料”というビジネスモデルを採用しています。とりあえず、会議に招待された人はだれでも\無料/でネットワークに参加が可能になります。

ということは、実際の業務で重要な観点は、\無料/でどこまで会議らしい会議が実施できるか?ということになります。 途端に現実的な話になりますが、以下、私が使ってみた感想です。

ZOOM

https://zoom.us/jp-jp/meetings.html

安定していますし、今、最もポピュラーではないかと思います。すでに個人でも利用している人は多いのではないでしょうか?

無料バージョンでもほぼすべての機能が使えます。無料版の一番大きな制限は、会議が40分で一度切れてしまう、というところです。1対1の場合は時間制限無制限なので、税理士さんとか相手が一人の場合には重宝しています。有料版は年間契約で、月1,670円(あれ?これ税抜きかな?)。この値段で会議システムを維持するとなると、一人会社の私からすると無料版でいいかもと思ったりします・・・ちなみに、Googleカレンダーやアウトルックへインビテーションとばすことができるので、使い勝手は非常に良いです。

https://zoom.us/pricing

Teams

これもご存知、マイクロソフトTeamsです。会社で使ったりしているので使いなれているものの、個人で利用となるとちょっと費用が気になります。その前に無料版から・・・こちらは60分利用可能です。

https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/free

無料版はメールとの統合がされていないので、いちいちリンクを吐き出して貼り付けるようです。(1回試してみただけなので、やり方うっすらとしか覚えていません。)

一方有料版は、年間契約の場合、月540円です。高いように思うかもしれませんが、メールボックスとアウトルックの予定表、そしてオンラインストレージ1TBが付いてきます。個人のメアドを取得して、さてメールサーバー/ボックスどうしようか?と悩んでいる方にはちょうど良いプランかもしれません。

https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/business/microsoft-365-business-basic?activetab=pivot:overviewtab

ちなみに、オフィスソフトをつけるともっと高いです。

Google Meet

以前のハングアウト、です。こちらGoogleカレンダーと連携できるので、便利だなぁ、と思っています。ただ、大学や企業がZOOM、大手企業がTeamsとなっている中で言うと、少しユーザーが少ないかも・・・

https://apps.google.com/intl/ja/meet/

無料版では60分の時間制限があります。有料版は8ドル/月だそうです。有料版はGoogle Workplace Essentialsというものになります。一人当たり100GBのストレージ付き。録画も可能になります。

https://apps.google.com/intl/ja/meet/pricing/

Workplace Essentialsはビジネス向けのソリューションなので、Gメールに独自のドメインでメールアドレスが作れます。

以上、3つは少なくとも無料版は登録しておいて損はないでしょう。またこの3つがあれば、急な会議などにも対応できますから、まずは安心。

Skype

いま、無料のOffice.comもしくは無料版オンラインoutlookのスケジューラ(https://outlook.live.com/owa/)で会議のデフォルトがSkype会議となっています。

このSkype、以前はSkype for Businessという法人向けサービスありましたが、今はTeamsに移管されました。

ということで、このSkype、個人向け無料サービスとしての立ち位置になっています。あまり明示されていないので変更されているかもしれませんが、一回の会議で24時間通話可能らしい。

https://www.skype.com/ja/features/

私がSkypeを使う(使いたい)理由は以下の通り。

  • ま、ほとんどの機能が無料だし、時間無制限でグループ会議できるし、持っておいて損はない。
  • 会社の電話番号欲しかったので、050番号をSkypeで取得。年払い、月々200円。しかもPCでも携帯でも受信可能。
  • 電話を掛けるときも、PCから発信可能。リモートワークでマイクとスピーカーも良くなって、かつ画面見ながら話ができるのはよいかも。通話料も安いので安心。
  • 携帯へのショートメッセージがPCから発信できる(有料)。(ただし着信した側は、発信元は050番号ではなく得体のしれないSkype番号が表示される。これ、日本では仕方がないらしい。)
  • Alexa対応、持っていないけど・・・
  • 会話のキャプション機能がある、さらに機械翻訳機能が使える。(まだ使ったことはないが・・・) https://www.skype.com/ja/features/skype-translator/

Skypeは無料の分、マイクロソフトの音声データの収集にも使っているようです。(パーミッションをちゃんと取っています。)

こうやって見ると、無料でいろいろできちゃうんですね。

ちなみに、ZOOMには、通訳さんが入れる機能があるらしいです。ですので、自動翻訳ではなく、本格的に通訳が入る会議なら、ZOOMもよいと思います。

今回はオンライン会議ということで各社のサービスをみましたが、Teamsなどのように、コラボレーションツールとしての機能を備えているものもあり、そういった機能が必要ならSlackなども検討の必要があります。また会議システムとして他にもWebEXがあったり、無料コミュニケーションツールViberがあったり、検討してみるべきツールがたくさんあります。大変悩ましいですが、今どきは無料で試せることも多いので、いろいろ試してみる必要がありそうです。

[1] Shapiro, C., Carl, S., & Varian, H. R. (1998). Information rules: a strategic guide to the network economy. Harvard Business Press.

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