2023年2月28日~3月3日の4日間、東京ビッグサイトにてリテールテックJapan2023が開催されました。私も早速行ってみました。そこで見つけた気になるテクノロジー5つをお送りします。
その1 アドインテ リテールメディア構築パッケージ「Connected Retail」
リテールテックの話題のキーワード「リテールメディア」ですが、わが国のリテール企業の規模では自前構築は大きな負担となります。そこで規模が小さくともメディア構築が可能なパッケージ型が日本では潜在ニーズがありそうです。
今回、(株)アドインテはそれぞれの技術を統合したワンストップパッケージ「Connected-Retail」を展示しました。
このソリューション、マイクロソフトのパートナーとして紹介されているところも注目でした。マイクロソフトのクラウド技術と合わせれば多様なデータ統合が可能になり、高度なターゲティングや効果検証が可能になります。なお、アドインテはリテール向けソリューションと同時に、メーカー向けソリューションも合わせ販売を行っています。
その2 東芝テック 売らない店をあなたの店にも「by b8ta」
店内の顧客体験DXのソリューションも今回展示が多い分野でした。その中でも興味深かったのが東芝テックの「by b8ta」。「b8ta」はご存じの通り、「売らない店」で知られる、体験型店舗のパイオニアです。今回、そのb8taのノウハウを“あなた”の店舗でも展開可能なソリューションとして、東芝テックが紹介していました。
メーカーにとっては、苦労して開発した商品はお店でしっかり説明をして販売してもらいたいところですが、すべての店舗に人を貼り付けるわけにはいきません。そこで顧客の反応を効率的にデータ化し、顧客体験の最適化に活用しようという機運が高まります。顧客体験とデータを両立させるb8taのノウハウは、今まではb8ta直営店でしか利用できましたが、今回東芝テックがソリューションとして広く一般の店舗でのコーナー展開ソリューションとして提供することになった模様です。
参考情報:売らない店を売る、体験型ストアb8taが新事業「by b8ta」を正式ローンチ – BCN+R (bcnretail.com)
その3 Cyber Links 画像データベースで棚分析も簡単「棚Scan-AI」
商品棚の定点観測ソリューションも各社展示されていました。AIの進化とともに、写真撮影するだけで棚分析が可能なソリューションが出そろった感じがします。
ただ課題となるのは、画像のデータベース。AIが威力を発揮するためには画像データの蓄積が欠かせません。しかし、日々登場する商品数は膨大で、それらを自前でデータベース化するのはとても大変です。
Cyber Linksの「棚Scan AI」の基盤には膨大な商品の画像がデータベース化されているため、すぐにシステムを動かすことができる。商品が裏返っていたり圧縮されていても判別ができるそうです。
参考情報:棚SCAN-AI AI棚割り画像認識サービス (cyberlinks-portal.com)
その4 NEC 日本発データ分析基盤「dotData」
リテールの持つ1stパーティーデータの重要性が増す中、分析基盤にも注目が集まります。ただ、この分野海外勢が多く、日本の存在が薄く感じられます。
NECのデータ分析基盤「dotData」は日本発のサービス。そのため、ツールだけでなく人材育成などの付随サービスも充実。また多くのAIの分析がブラックボックスなのに対して、dotDataは解釈可能なアウトプットを目指していて、ホワイトボックス型AIと呼ばれているそうです。社内説明が重要な風土の日本企業にとってはありがたい機能です。国内でも事例が増えているようで、今後が楽しみです。
参考情報:データドリブンDXソリューション/dotData: ソリューション・サービス | NEC
その5 結果が気になる「LINE×Microsoft Azure 小売業DX共同プロジェクト」
OMOの中心的役割となるスマホアプリ。LINEはMicrosoft Azureのパートナー企業とともに多くの実証実験を行っているそうです。実験自体は2021年からスタートしているようですが、ビーコンやスマホレジなどに加え、最近では顔認証可能な「AI商品棚」との連携なども進んでいるようです。
参考情報:セキュア、リテールDXの第二弾として「AI商品棚」とLINEアプリで顔認証機能付き「デジタル会員証」を開発|株式会社セキュアのプレスリリース (prtimes.jp)
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