伸張するネット動画配信、ECサブスクにも動画サービスバンドル加速か?

米国ではテレビによる動画視聴において、ネット配信が、ケーブルや地上波を超えて最長になった[1]。テレビがネット動画視聴のデバイスとして、確固とした地位を築き始めている。同時にテレビがECの世界においても重要な意味を持ち始めてきた。

ウォルマートは、即日無料配送などの特典付きのサブスクサービスWalmart+の会員に、9月からパラマウント+の動画を追加料金なしで利用できるようにする[2]。同様のサブスクサービスとしては、アマゾンのプライム会員、それに付随するプライムビデオがある。また、ウォルマートは、ネット動画用のデバイス企業であるRokuとライブコマースの協業を発表している[3]。ECがテレビ画面でも利用可能な時代が近い。なお、Rokuの月間アクティブユーザーは6,130万人と言われている[4]。

[1] 米動画視聴時間、ネット配信最長に Netflixなど増加: 日本経済新聞 (nikkei.com)

[2] ウォルマート、サブスクで動画配信 パラマウントと連携: 日本経済新聞 (nikkei.com)

[3] (6月記事) Roku and Walmart partner up to bring shoppable ads to streaming | TechCrunch

[4] Roku: monthly active users 2022 | Statista

地域密着や看板カテゴリーなど、資源回収も店舗のイメージ戦略の一部に

もはや避けて通れない流通・小売業における資源回収活動だが、店舗の特徴に合わせてた回収商品・回収方法の模索が広がっている。多く見られるのが地域密着型で、地方自治体と連携し、資源回収を進めるパターンだ。

セブイレブンは佐賀市と連携して「ペットボトル回収機」を佐賀県内の店舗に設置する[5]。佐賀市内の中学校生徒が作成した啓発ポスターを「ペットボトル回収機」に掲示するなど、地域社会と一体となって資源回収を推進していく。また、回収機に投入時にnanacoカードをかざした場合、累計5本毎にnanacoポイントを1ポイント付与する。なお、同社は回収機の設置は2017年から開始しており、現在佐賀以外で2,125台が稼働しているという。

また、取り扱いの多い商品、いわば看板カテゴリーを中心に資源回収を進める動きも活発化している。バラエティーショップのロフトは、取扱の多い化粧品について、使用済み容器の回収プログラムを26店舗で実施している[6]。また、人気の高いカテゴリーである文具については、ペンの回収プログラムの導入を進める。これは、パイロットコーポレーション、テラサイクルジャパン、文具販売店が協働で行なっているプログラムで、現在は一部店舗だが、9月以降全国で展開されるという。SPA業態のユニクロなどは自社商品のリサイクルを活発化しているが、小売業態でも看板カテゴリーの商品については回収を行う動きが加速しそうだ。

一方でリサイクルには課題も多い。その一つが回収した資源の輸送の問題だ。空となったケースを長距離輸送することは、コスト的にも環境的にも問題だ。ペットボトル専用の回収機は、容器を圧縮することで輸送効率を高めようという試みだが、再資源化を消費地に近いところで実現しようという試みもある。

セブン-イレブン・ジャパンとマイクロ波化学は、「マイクロ波加熱技術を適用した小型分散型ケミカルリサイクルシステム構築の開発・実証」事業を開始すると発表した[7]。廃プラを回収した近くの小型施設で分解処理しオイル化、すなわち資源化を行ってしまう戦略だ。これにより廃プラに比べ2倍以上の比重に圧縮でき、コスト圧縮、環境負荷軽減になるという。

[5] セブンイレブン/佐賀市内55店舗に「ペットボトル回収機」設置 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

[6] ロフト/「容器回収リサイクル」を全店展開、「ペンのリサイクル」45店舗に拡大 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

[7] セブンイレブン/廃プラの発生源から近い立地で再資源化実験 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

配送費のダイナミックプライシングで効率化なるか?ヤフー、アスクルで「急がない配送」の実験スタート

最近よく耳にするダイナミックプライシングでは、需要の高いタイミングでは高い価格を課す。すなわち、急ぐ客には高い価格を提示する、という具合だ。今回ヤフー、アスクル/LOHACOが実証実験するのは、「急がない人にはポイント還元」という逆のパターンだ[8][9]。還元するポイントは、指定の日付によって変わるようだ。配送需要の高い日にはポイント還元はなく、余裕がある日、配送の段取りがしやすい日には多めに還元する。

ECでは、顧客囲い込みの仕組みとして、アマゾンのプライム会員のように、サブスクリプション会員になれば配送無料、お急ぎ便無料となるものが多い。しかしこの制度では不急な商品まで急いで配送されることになり、配送負荷が高まる。人材不足、配送の環境負荷といった課題の解決のためにも、今回のような取り組みには今後も注目していきたい。

[8] ヤフー、アスクル/LOHACOで急がない配送の実験 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

[9] ヤフーとアスクル、「LOHACO」で標準より遅い届け日指定でPayPayポイント付与の「おトク指定便」、物流ピークの分散が目的 | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

以上

https://www.amazon.co.jp/dp/4295600970/

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