買い物に影響のあるメディアは男性YouTube、女性Instagram、「TikTok売れ」は今年も注目

 データマーケティング支援会社のGlossom(グロッサム)が「ソーシャルコマースに関する定点調査2021」の結果を発表した[1]。SNSをきっかけに商品を知る商品カテゴリーを調べたところ、女性で日用品、食料品、化粧品などの非耐久消費財の割合が高いことが分かった。情報源のSNSについては、男性はYouTubeの比率が女性より高く、また女性は年代にかかわらずInstagramが最も高い。「TikTok売れ」で話題のTicTokが15-19歳女性で高くなっているのも特徴だ。大塚製薬ファイブミニの事例など[2]、十代女性をターゲットにしたマーケティングには相性が良いようだ。

 このTikTokだが、世代の広がりも見せている。TikTok for Businessが発表したレポと「X世代白書〜理由が必要なX世代へ、架け橋を。〜」によると、X世代(1965〜1980年生まれ)のTikTokの視聴態度は、主要プラットフォームとの比較で「音声ON」が1.99倍、「全画面視聴」が1.87倍と高く、「ながら視聴」は0.51倍と約4割も低くなっており、TikTokをフルアテンションで視聴していることがわかったそうだ[3]。同レポートではこの原因について、X世代がTikTokに「テレビに近い親しみやすさ」を感じているからではないかと考察している。22年は広い世代でのTikTokのマーケティング活用が注目だ。

[1] 購買行動に影響を受けるインフルエンサーからの情報源は、男性YouTube、女性はInstagram【ソーシャルコマース定点調査】 | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

[2] TikTok動画がきっかけでモノが売れる現象「TikTok売れ」を徹底解説! | 【公式】TikTok For Business: TikTok広告 (tiktok-for-business.co.jp)

[3] TikTok For Businessが「X世代白書」を発表 架け橋を模索する世代の心を動かすには:MarkeZine(マーケジン)

サミット、ネットスーパーに再参入、ベイシアは楽天全国スーパーに出店、スーパーのデジタル化が加速

 食品スーパーのサミットがネットスーパーに再参入する[4]。2011年にサービスを開始したが、2014年に撤退。センター型のサービスで、総菜なども提供していたが、採算が合わなかったとみられる。コロナ禍を経てネットスーパーの需要が拡大したことが再参入のきっかけとなった。

 一方で、ベイシアは楽天全国スーパーに出店する[5]。楽天西友スーパーのノウハウを楽天が全国のスーパーに提供する形だ。今後楽天のビッグデータもマーケティングに活用されると期待させる。マルエツなどを展開するUSMHは、店舗とネットをつなげる方向でネットスーパー展開を狙う。スマホアプリ「スキャン&ゴー」に食品宅配機能を搭載し、店舗とECの買い物の使い分けで利便性向上を狙う[6]。方向は異なるが、ネットスーパーへの参入は今後も増えそうだ。

 なお、リテールDXの目玉の一つである、店舗の無人化、レジなし店舗の動向については、リテールガイドから解説記事が出ているので[7]、一読をお勧めする。

[4] サミット/2022年はネットスーパーに再挑戦、世田谷に旗艦店も | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

[5] ベイシアが楽天全国スーパー内にネットスーパーをオープン 豊富な品揃え、楽天ポイントの利用も可能|ECzine(イーシージン)

[6] USMH、スマホ決済アプリ「スキャン&ゴー」で食品宅配も利用可能に _小売・物流業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】 (diamond-rm.net)

[7] 無人店舗とは?メリットや国内の無人店舗の取り組み事例を交えて解説 | リテールガイド (tokubai.co.jp)

SNSとECサイトのイメージギャップ6割超、ソーシャル活用に買い物体験の一貫性の重要性が浮き彫りに

 6割の人が、SNSなどでの商品イメージとECでの商品イメージの違いに困惑している。こんなデータがBXプラットフォーム「BOTCHAN」を提供するwevnalの調査から明らかになった[8]。最も商品・ブランドにギャップを感じるのは「商品の写真、見栄え」とのこと。SNSで映えがECサイトでのがっかりにつながることが多いようだ。今、ソーシャルコマースが注目だが、この調査は、SNSでのブランドとの出会いと、ECサイトで買い物体験の一貫性の重要さを示唆しているとも言える。

[8] D2CのWebサイトでの体験にギャップを感じる人は6割超、性別・年代でギャップを感じるポイントに差|ECのミカタ (ecnomikata.com)

以上

No responses yet

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です