各社Qコマースサービス拡充、食品・日用品、分単位のデリバリー競争へ

 食品・日用品の即配サービスの競争が激化している。Uber Eatsは、デリバリー専用の店舗、ダークストアを備えたUber Eats Marketをスタート[1]。東京都中央区を中心に30分以内配送圏内を中心に営業する。このような分単位のECサービスは、Qコマース(Quickなコマースな意)と呼ばれる。Qコマースにはデリバリーサービスのfoodpanda、新興企業OniGoなどの他、セブンイレブンやローソンなども参入している[2]。米国では人が商品棚からピックアップする方式から、小型の自動倉庫を活用したマイクロフルフィルメントセンター(MFC)へ移行しつつあるが、商圏がコンパクトな日本の都心ではフードデリバリー網の活用でダークストアのようなコンパクトな運営体制にもニーズがありそうだ。

[1] Uber/食品・日用品専門店「Uber Eats Market日本橋兜町店」開始 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

[2] 「分」争うクイック配達 ZHDや外資が参入: 日本経済新聞 (nikkei.com)

ライブコマースに再び脚光、大手ECが参入

 大手ECサイトのライブコマース参入が相次いでいる。ヤマダデンキやピーチ・ジョンでは店頭スタッフが登場し、月に1回程度の配信を行うという[3][4]。また、楽天市場では、11月よりショップ向けにライブコマース配信サービスの提供を開始した[5]。なお、楽天は2019年からRakuten LIVEを提供していたが、2021年にサービスを終了していた。

[3] ヤマダデンキがライブコマースに参入 | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

[4] ピーチ・ジョンがライブコマースを開始 | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

[5] 「楽天市場」出店者にライブ動画配信機能、ライブコマースによる商品販売を支援 | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

スマホと店舗をつないで気軽の送れる少額ギフト、利用者拡大、販促活用も

 かつてギフトは自宅に届けるのが主流だったが、最近はギフトを店舗で受け取るスタイルも定着してきたようだ。LINEを通じて友人にクーポンを送り、コンビニなどの店舗で商品を受け取る、LINEギフトの利用者が累計1000万人を突破した[6]。「LINEギフト」の認知率は全体で52%、20代女性では87%に至る。少額ギフトの活用は、友人・家族にとどまらず、最近では商品プロモーションにも活用されている。スーパードライは「SHARE SUPER DRY」キャンペーンを12月に実施。友人から推奨されることでブランドへの関与度を高めてもらう狙いだ[7]。コミュニティーの力を活用したプロモーションとして、少額ギフトのインフラは今後も利用が増えそうだ。

[6] LINEとヤフーが語る「LINEギフト」の戦略&累計購入ユーザー数1000万人を突破した現状まとめ | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

[7] アサヒスーパードライを気軽に送れる新サービス 『SHARE SUPER DRY』を12月から期間限定で展開 | リテールガイド (tokubai.co.jp)

無人店舗はどこまで広がるか?サイバーエージェントが専門会社設立

 アマゾンGOなど、無人店舗への注目は高い。サイバーエージェントは、無人店舗におけるマーケティングをサポートする専門会社を立ち上げた[8][9]。ウォークスルー決済のシステム提供の他、AIを活用した商品レコメンドなどを表示するサイネージなども提供する。なお、国内のリテールテック市場は2030年には8737億円に達する(2020年2月富士経済発表「リテールテック関連機器・システム市場の将来展望 2019」)との予測もあり、無人店舗技術の成長も期待されている。

[8] サイバーエージェント、「株式会社CA無人店舗」を設立 | RTB SQUARE

[9] サイバーエージェント/2024年までに無人店舗2500店導入支援目指す | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

売らない店、バーチャル店舗、OMO視点でCXの充実図る

 「売らない店」の先駆けとして知られるb8ta(ベータ)の三号店が渋谷にオープンした[10][11]。店内に在庫は持たず、出品者の商品の説明に特化した体験特化型店舗だ。三号店ではカフェスペースを設けるなど、お客さんの快適さを追求するほか、AIカメラなどを活用し店内回遊状況を分析、移動式什器で店内レイアウトの変更も行えるようにした。一方、ECサイトのCXの充実に向け、青山商事はEC内にバーチャルショップをオープンした[11]。バーチャル空間でもブランドの世界観を体験できるような設計にしているという。「売らない」店舗と「リアル店舗を感じる」EC、オン/オフの統合の動きはまだまだ続きそうだ。

[10] 売らない店「b8ta」3号店 五感に訴えかける、日本独自の売場の特徴とは _小売・物流業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】 (diamond-rm.net)

[11] b8ta Japanが3号店「b8ta Tokyo – Shibuya」をオープン、「食」強化でリアルの体験を生かす | リテールガイド (tokubai.co.jp)

[12] ネット上で実店舗のような買い物体験を提供。青山商事「ザ・スーツカンパニー」のECサイト内にバーチャルショップ | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

以上

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