米アマゾン、新広告メニュー/ツールを発表

米アマゾンの広告部門のイベントUnBoxedにて、新しい広告メニュー/ツールが発表された[1]。概要は以下の通り。

Interactive video ads

IMDb TVやFire TVの中の動画広告の中で視聴者がより詳しい情報をリクエストする機能。リクエストをするとQRコード表示、Eメール送信がされるとのこと。動画を中断しないような配慮がされている。なお、米国では5月に“Add to Cart”、 “Add to List”、“Buy Now”ボタンが先行導入されている。

Interactive audio ads

Amazon Musicでの同様のインタラクティブ機能。

Brand Follow

米アマゾンでは、Amazon Liveが配信されることを知らせる「ブランドをフォローする」機能がすでに導入されている。今回Brand Followにディスプレイ広告との連動機能が追加された。

Sponsored display ads on Twitch

Twitchの検索画面での広告はすでに実施されているが、さらにライブストリーミング面にもディスプレイ広告が表示されるという。

Amazon Marketing Cloud

1月にデビューしたAmazon Marketing Cloud (AMC)とDSPの統合が強化された。

Brand Metrics

中長期的なブランドの推移を分析するBrand Metricsのベータ版が発表された。こちらは日本でも利用可能とのこと。商品詳細ページのビジット/ブランドサーチ/エンゲージメント指標/認知・検討指標などを見ることができる。

Amazon Brand Lift

Amazon Brand Liftは、広告主が簡単に実施できるブランドリフト調査。6つの指標(awareness, preferences, intentなど)について分析ができる。調査結果は2週間程度で見ることができる。

[1] Amazon Advertising Unveils 8 New Tools and Features (adweek.com)

ネット広告7.4%増、ECの市場とコネクテッドTVの伸長がけん引

 矢野経済は2020年のインターネット広告の市場規模は、昨年から7.4%増の2兆1290億円と推計した[2]。新型コロナの影響による広告需要の落ち込みはあったものの、巣ごもりによる動画視聴などのネット経由のコンテンツ消費が増え、ネット広告市場を押し上げた。TVerはユーザーが2倍になったと言う。今後はコネクテッドTV(CTV)経由での動画広告も増えそうだ。

 CTVで先行する米国では、生配信のテレビ(linear TVと呼ばれる)の広告市場はほぼ横ばいだが、今後CTV広告がそれに追加される形で動画広告全体が成長するとみられている。日本でも放送局がCTV事業を強化しており、同様に動画広告市場は成長するものと思われる。

[2] 2020年度のインターネット広告市場は7.4%増の2.1兆円、2021年度はEC市場の成長などで2.4兆円まで拡大すると予測 | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

[3] TV Ad Measurement 2021 – Insider Intelligence Trends, Forecasts & Statistics (emarketer.com)

ZOZO、楽天、期間限定ポップアップストアを展開

 ZOZOは、阪急うめだ本店のイベント「マイクリエイターフェス」にポップアップを出店する[4]。また、楽天は東急と共同で渋谷スクエアにポップアップを出店する。こちらは、購入時に商品のQRコードをスマートフォンで読み取ることで、「Rakuten Fashion」の商品ページで商品の決済ができる。商品は、後日指定された配送先へ配送さる、いわば「売らない店」だ[5][6]。なお、ZOZOは、実店舗の在庫をECで販売、店舗取り置きするアプリ、ZOZOMOもスタートさせている[7]。ECプラットフォーム起点のOMO化は今後加速されそうだ。

[4] 通販新聞社 / ゾゾ D2Cで初のポップアップ、阪急うめだ本店に13ブランド (tsuhanshimbun.com)

[5] 楽天、東急/渋谷スクランブルスクエアにOMO型期間限定店舗 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

[6] 楽天、東急、楽天東急プランニングの3社、OMO型ポップアップストアを渋谷に期間限定でオープン:MarkeZine(マーケジン)

[7] 「実店舗の在庫確認と取り置き」「自社ECとの在庫シェアリング」など実装、ZOZOのOMOプラットフォーム「ZOZOMO(ゾゾモ)」とは? | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

自己管理型の購買データ収集アプリ「スマートレシート」、東急ストア全店導入へ

 政府の個人起点の情報流通構想の中で取り上げられている、個人の購買履歴を個人で管理する、「スマートレシート」のサービスが東急ストア全店で導入される[8]。アプリは、東芝テックが運営する。

 購買データは、現在はチェーン店ごとに管理されていることが多いが、消費者本人からするとデータがバラバラで不便だ。また、紙のレシートのデータ化も手間。そこで、POSレジデータの標準化し、データも個人消費者本人がまとめて管理することで、情報の価値を高めよう、というのが個人起点の情報流通構想だ。個人はそのデータを企業に預けることも可能で、パーミッションをもらえればマーケティングに活用も可能。

 今回は購買データだが、個人起点の情報流通構想の応用として、例えば診療カルテ、母子手帳なども考えられており、今後広がりを見せそうだ。

[8] 東急ストア/全88店舗に電子レシート「スマートレシート」導入 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

以上

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