日本のキャッシュレス、コロナ禍で大幅伸長も、海外に遅れ
経産省の集計によると、2020年の日本の個人消費に占めるキャッシュレス決済の割合が19年比2.9ポイント増の29.7%となった[1]。内訳はクレジットカードが25.8%、電子マネーが2.1%、QRコードが1.1%、デビットカードが0.8%。コロナ禍でECが利用率したことでクレジットカードが伸びた。QRコードは未だシェアは小さいが、般社団法人キャッシュレス推進協議会の調査によれば、スマホ決済は前年比で約3.7倍の4兆2003億円まで達したという[2]。しかしキャッシュレス全体では、欧米が4~6割台と言われており、依然として普及は遅れていると言える。
[1] キャッシュレス決済が最高 昨年29.7%、なお海外に遅れ :日本経済新聞 (nikkei.com)
[2] 〈スマホ決済〉 市場規模は4兆円に/加速度的に広がるEC活用 | EC | 日本ネット経済新聞 | 日流ウェブ (bci.co.jp)
国内EC市場、17%の伸び、21年度も二桁増を予想
コロナ禍でECが元気だ。富士経済は [3]、21年、22年も2桁近い成長を示すとみている。また調査報告ではネットスーパーについても言及。ECの中でも強い伸びを予想しており、21年度は前年比14%の伸びを見込んでいる。
[3] 【コロナ禍の通販・EC市場】2020年は17%増の13.7兆円、2021年は10%増の15兆円超と予測 | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)
果たして定着するか?進む家電のサブスクリプション化
パナソニックが家電のサブスクリプション化に取り組んでいる[4][5]。キッチン家電とプレミアム食材を組み合わせたサブスクリプションで、月額3980円前後で楽しめる。炊飯器、ベーカリーなど、4つのコースからスタートする。最低契約期間は1~2年で、その後は自由に解約ができる[6]。食材はクーポンを用いて購入するため、毎月気分に合わせて選ぶことが可能。果たして家電をサブスクリプションで購入するスタイルは定着するだろうか?
[4] パナソニック、家電と食品をセットに サブスクで提供: 日本経済新聞 (nikkei.com)
[5] パナソニック、家電と食のサブスク開始 「米と炊飯器」などを月額3980円で提供:foodable(フーダブル) – ITmedia ビジネスオンライン
[6] 食と家電のサブスクはじめよう!Foodable&腸活デビューキャンペーン | EATPICK
アプリ活用で可能性広がるダイナミックプライシング、課題は?
配車アプリのUberがダイナミックプライシングの実証実験の結果を公開した[7]。ダイナミックプライシングは、需要過多の時には価格を上げ利益を確保し、逆に需要が落ち込んだ時には価格を下げ需要喚起を行うことが可能。欧米では普及が進んでいるが、日本でも導入に向け実証実験が行われている。例えば名古屋で行われた実験では、40%割引を受けたグループの利用総額が割引なしに比べて約1.5倍に達するなど、需要を喚起できることが示された。ただ、日本ではタクシー料金の変動幅は上下20%と定められており、ダイナミックプライシングが導入されたとしても効果は限定的な可能性が高い。
[7] Uberが衝撃の実証データ公開 変動制はタクシーの救世主になるか:日経クロストレンド (nikkei.com)
EC・通販、スマホへのシフトは加速、一方シニアはやっぱりテレビ
スマホで住所などを入力するのは面倒、セキュリティーが心配という時代は完全に過去のもの。10代から40代まで、ECでのスマホ利用率が80%以上になっているという[8]。ECのスマホ最適化は欠かせない。
一方で70代のEC/通販利用の実態は、依然としてテレビがトップ。コロナ禍の影響もあり、テレビ通販も前年比100%を維持している。高齢化傾向は今後も続くことから、テレビ通販もしばらくは需要がありそうだ。
ECの普及で課題となるのが、ネットの健全性だ。業界を挙げての消費者保護の動きは毎週のように報道されているが、今週はYahoo!が広告審査の状況を公開した[9]。2020年は実に5千件以上のアカウントを停止。違反表現を繰り返す広告主のアカウントの減少もあり、非承認広告素材の数は減少傾向にあるという。
[8] 日本通信販売協会〈JADMA「第28回 全国通信販売利用実態調査 報告書」〉/スマホネットが63%/購入時に閲覧した通販広告 | 通販 | 日本流通産業新聞 | 日流ウェブ (bci.co.jp)
[9] ヤフー、5,215件の広告アカウント停止 広告サービス品質向上の取り組みについて記者会見を開催|ネット通販情報満載の無料Webマガジン「ECzine(イーシージン)」
以上
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