ECプラットフォーム、コロナで大きく成長

2020年のECプラットフォームの業績が相次ぎ発表された。急成長のZHDは売り上げ14%アップ、モール取扱高1兆円超えの模様。一方プロモーション費用などがかさみ、全体では減益となった[1][2]。アマゾン、ZHDに押され気味だった楽天も、コロナ禍の巣ごもり需要で扱い高拡大し、流通総額4.5兆円に達した[3]。アマゾンの伸び率は楽天を上回る25.5%の成長で2.2兆円。EC以外のAWSなども含まれるため比較は難しいが、アマゾンの成長はまだ続くだろう[4]。

[1] ZHD、売上14%増も減益。ショッピング事業は取扱高33%増|ECのミカタ (ecnomikata.com)

[2] Zホールディングス、第3四半期も業績好調 ECモールの流通総額1兆円超に  | TECH+ (mynavi.jp)

[3] 楽天の国内EC流通総額は約4.5兆円で、伸び率は約20%増【2020年度の実績まとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

[4] アマゾン日本事業の売上高は約2.2兆円【Amazonの2020年実績まとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

リサイクル事業に各社参入、新しいビジネスの兆し

 バイデン政権発足後、世界的にもESG事業に注目が集まっている[5]。国内においても新事業の発表が相次いでいる[6][7][8]。ESG/SDGs関連事業への関心の高まりは、ロジスティクスやIT技術など多くの産業にビジネスチャンスを与えてくれそうだ。消費者の関心も高まってきており、マーケティング、特にデジタルマーケティングにも大きな変革が予想される。

[5] バイデンが迫るESG セブン・ユニクロの背中押す: 日本経済新聞 (nikkei.com)

[6] サントリーが国内初のペットボトルリサイクル事業を自治体と締結:日経クロストレンド (nikkei.com)

[7] セブン&アイ/プラスチックの再資源化で新会社へ出資 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

[8] フェリシモ、服・服飾雑貨のリユースプロジェクト「FELICYCLE」スタート リユースと寄付が一体に|ネット通販情報満載の無料Webマガジン「ECzine(イーシージン)」

OMO/リアルとデジタルの垣根、いよいよ低く

 コロナ禍で好調だったのはECだけではない。世界最大のリテール企業ウォルマートもオン/オフを駆使して売り上げを伸ばした[9][10]。ウォルマートはBOPIIS用のタワー型ロッカーが有名だったが、このコロナ禍ではパーキングに荷物を配達する「カーブサイドピックアップ」サービスも増やした[11]。ニーズに合わせたOMOスタイルを組み合わせ消費者の支持を得た。

 日本でもBOPISサービスのいくつかのスタイルを組み合わせる動きが進んでいる。実証実験段階ではあるものの、イオンリテールでは各種BOPISを組み合わせて展開している[12]。

 ■イオン“ピックアップ!”受取り方法概観
 「カウンターピックアップ!」約130店舗
 「ドライブピックアップ!」 約80店舗
 「ロッカーピックアップ!」 約10店舗

一方、完全無人店舗は苦戦とのレポートも[13]。

[9] ウォルマート赤字2200億円 11~1月、日英の事業売却で: 日本経済新聞 (nikkei.com)

[10] アマゾン、ウォルマート猛追 売上高の差縮める 好調米消費 2強に追い風 :日本経済新聞 (nikkei.com)

[11] 「コロナ禍のウォルマートはすごかった」 米リテール業界が称賛:日経クロストレンド (nikkei.com)

ドライブスルーを進化させたカーブサイドピックアップ -JNEWS-

[12] イオンリテール/「モバイルオーダー テイクアウトサービス」実証実験 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

[13] 利益の寄与はわずか年40万円? 無人店舗が直面する3つの虚実:日経クロストレンド (nikkei.com)

コンプライアンスが求められる通販・ECビジネス

 EC/通販の伸長に伴い増えるトラブル。消費者保護、ショップ保護のために、政府も目を光らせる。注目の記事は「透明化法」と「景表法」(価格表示)に関するもの。透明化法は中小商店を守るための法案。楽天は2月1日施行される法案に対応し、新組機で対応[14][15]。景表法は消費者を保護するための様々な決め事の集まりだが、今回不当な二重価格問題について場を提供したアマゾンにも責任があることが確定した[16]。ECプラットフォーマーもコンプライアンス重視の時代に入ったといえる。

 また健康食品通販についても取り締まりが厳格化されてきており、通販企業(販売者)だけでなく関与した広告会社の責任も厳しく問われるようになってきた[17]。消費者保護の観点からは望ましいことではあるが、広告会社もコンプライアンスをあらためて自分事化としてとらえる必要がある。

[14] 楽天/新組織を設立/透明化法に対応 | EC | 日本流通産業新聞 | 日流ウェブ (bci.co.jp)

[15] 楽天が取り組む「透明化法への対応」「コマース渉外室」「楽天市場サービス向上委員会」など【2021年上期施策まとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

[16] 通販新聞社 / アマゾンの敗訴確定<景表法処分取消訴訟> 「場の提供者」の表示責任で初判断 (tsuhanshimbun.com)

[17] 通販新聞社 / 大阪府警、ASPを捜査か<アドネットの闇> 重くなるウェブ広告関与の「代償」 (tsuhanshimbun.com)

リモートでも消費者の情報を把握、新しいセンサーサービス二つ

 非対面のデジタルサービスでも、お客様の状況データを把握できるサービスが増えている。今週のピックアップは二つ。ZOZOのフェイスカラー計測ツール[18]は眼鏡型のカラーマーカーを使うことで顔色をデータ化することが可能。メイクアップコスメなどでの活用が期待されるが、色測定技術はヘルスケアや様々な品質管理にも応用可能で今後期待される領域でもある。

 ヘルスケア領域では、アップルウォッチの心電図アプリが日本でも解禁されるというニュースが話題に[18]。“「非医療機器」で取得したデータを使った「医療機器プログラム」を承認した初の事例”とのことで、IOTのヘルスケア分野活用に弾みがつきそうだ。

[18] フェイスカラー計測ツールZOZOGLASSの予約件数が10日間で40万件を突破 3月オープンのコスメ専門モールZOZOCOSMEで本格提供へ|ECのミカタ (ecnomikata.com)

[19] 異例ずくめのApple「心電図アプリ」日本解禁、厚労省が「適正使用」通知のワケ | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)

コロナ 売り上げアップ/ダウン

スーパー/郊外型ドラッグは売上アップ。

ファストフードは売上アップの一方、不採算店の整理も進む。店内飲食型は大きく痛手。

通販、好調続く。注文件数が増加したショップの4割強を占めたのは、食品。次いで日用品(15.5%)、ファッション(10.7%)や美容・コスメ(10.7%)、インテリア・雑貨(9.5%)。

機能性表示食品は微増。健食市場で一定の地位固まる。スポーツ、認知、免疫など、新たなカテゴリーも生まれてきており、今後もビジネスチャンスあり。

デジタル販促ソリューションニュース

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